完全ローカルのデータ分析・調書作成支援
[製品概要]
Prism(プリズム)は、総勘定元帳と業務データを取り込み、不正リスクに対応する検知シナリオと実証手続を実行するソフトウェアです。取り込みから検知、分析、調書の作成までのすべてが実行端末内で完結し、データが端末外へ送信されることはありません。
Prismの例外事項検知にはAIを用いません。設定したルールと統計のみにより例外を抽出し、なぜ抽出されたのかを、常に条件と算式で説明できる状態を保ちます。
Prism は結論を出しません。例外を提示し、その根拠となる数値と算式を示し、判断に必要な材料を並べます。どれを確かめ、どう判断するかを決めるのは監査人です。
Prism は分光器を意味します。一筋の白い光を通すと、隠れていた色が分かれて現れる。会計データも同じです。データを眺めているだけでは見えないものが、切り口を変えて分けると姿を見せます。一つの数字を、いくつもの面から見せること。モジュールの名はここから採りました(現在は研究開発・内部検証の段階にあります)。
[開発背景]
不正リスクの評価は、被監査会社の事業内容と取引形態に即して発生態様を具体化して初めて機能します。総勘定元帳の単表に対する統計的手続だけで検討を終えた場合、見えるのは母集団に本来内在する構造的な偏りにとどまり、個別の不正態様には到達しません。
また、実証手続の作業部分は、表計算ソフト上の手作業に依存していることが多くあります。データの抽出・突合・集計に時間が費やされ、結果の検討に充てる時間が圧迫されます。
Prism は、複数の業務データを連携させた検知シナリオと、画面上の操作で完結する実証手続によって、この 2 つに対応します
[Prismの3つの特徴]
① 検知の過程に AI を組み込まない
Prism の検知処理に、大規模言語モデルは入っていません。文章の生成も行いません。例外を抽出するのはルールと統計であり、それが異常かどうかを判断するのは監査人です。
② 検知の独立性
検知処理は、その行が不正であるという情報や金額の大小を、抽出の材料に使いません。デモ用のデータに対しても、実データに対しても、同じ条件が同じように働きます。検知の側とデータの側を分離しています。
③ 差異にゼロを作らない
突合や照合の差異は、両辺をそれぞれ独立に計算したうえで引き算しています。片方の値をもう片方から導いて差異を 0 にすることはしません。0 と表示されているとき、それは一致した結果です。
[画面イメージ ] ※ 画像はイメージであり、実際の表示とは異なる場合があります。また法人名や人名は架空のもので実在するものではありません。
【ウィザード】
Prismは、ユーザーが画面の指示に沿って進めるだけで分析を始められるように設計しています。総勘定元帳と残高試算表を読み込み、業種や内部統制の状況などの質問に答えて、実行を押すだけです。設定ファイルの編集やコマンドの入力は必要ありません。
会計システムが違えば、データの列の名称も並び順も異なります。Prismは、あらかじめ定めた列の名称と、クライアントから入手したデータの列の名称とを、画面上で対応づける仕組みを備えています。必須の列が欠けている場合は取り込みの段階で止まりますので、誤った形のデータのまま分析に進むことはありません。対応づけはクライアントごとに保存され、翌期以降は同じ資料をそのまま取り込めます
【不正シナリオ】
不正リスクの評価は、被監査会社の事業内容と取引形態に即して発生態様を具体化して初めて機能します。母集団全体に対する統計的手続だけで検討を終えた場合、見えるのは母集団に本来内在する構造的な偏りにとどまり、個別の不正態様には到達しません。
Prism は、総勘定元帳の単表から想定される 5 シナリオと、複数の業務データを連携させることで初めて成立する 13 シナリオ、合計 18 をあらかじめ実装しています。単表では見えない事象を、業務データ間の不整合として捉える設計です。
抽出の条件と閾値は監査人が設定し、実行時の前提は証跡として保持されます。
【散布図分析(例:幽霊社員)】
散布図分析では、2 つの軸を選んで母集団を平面に置き、外れ値を色で示します。判定方式は IQR・Z スコア・マハラノビス距離から選べます。
この画面は、給与データを従業員 × 月で 2,172 点にほどき、横軸に出勤工数、縦軸に給与月額を取ったものです。働いた分だけ給与が支払われていれば、点は右上がりの帯の中に並びます。
左端の点は、出勤工数 0 のまま給与が支払われている従業員です。1 日も出社していないのに給与が出ている──いわゆる幽霊社員は、帯から外れた 1 点として現れます。外れ値がそのまま不正であるとは限りません。外れているという事実を示すところまでが Prism の役割です。
【実証手続】
実証手続の作業部分は、表計算ソフト上の手作業に依存していることが多くあります。データの抽出・突合・集計に時間が費やされ、結果の検討に充てる時間が圧迫されます。
Prism は、この作業部分を機能として実装しています。再計算 2 手続、突合・分析 6 手続、見積り 4 手続、その他 2 手続の計 14 手続を、画面上の操作で実行できます。
Prism が行うのは、理論値の算出と差異の提示までです。差異が生じた理由を、Prismは判断しません。
(例:売掛金滞留分析)
売掛金の滞留分析は、補助簿と総勘定元帳が合っていることを確かめたうえでなければ意味を持ちません。Prism は、この検証を最初に行います。
エイジングは、入金・返品を古い売上ロットから順に充当する FIFO で行い、0〜90 日、91〜180 日、181〜365 日、365 日超の 4 区分に振り分けます。充当方法は監査人が選ぶ前提であり、その内容は画面上に明示されます。
金額バーのスライダーで、どの規模の得意先から見るかを絞り込めます。重要性の基準値をそのまま閾値として当てることもできますが、どこから見るかを決めるのは監査人自身です。
長期の区分に残高が残っている得意先が、検討の出発点になります。抽出された各行には監査人の判定欄が付きます。
【科目別月次推移】
仕訳データから、Polars を用いて科目別の月次推移ピボット表を瞬時に作成します。期首残高、各月の増減、期末残高、試算表の期末残高、そしてその差異を、同じ表の上に並べます。差異の列がすべて 0 であることが、仕訳から導いた残高と試算表が一致していることの確認になります。表示単位は円・千円・百万円で切り替えられます。この表は、見るためだけのものではありません。気になる月をクリックすると、その科目のその月の仕訳一覧が開きます。さらに伝票をクリックすると、仕訳伝票そのものが表示されます。
【リードスケジュール作成支援】
Prism は、クライアント名・決算期・セクション・科目・3 期比較の数値までを、試算表から自動で組み立てます。表計算ソフトで科目を拾い集める作業が要りません。
(注:リードスケジュールの作成支援は厳密には実証手続そのものではありませんが、実証手続の起点となる集約表を整える作業であるため、Prism では実証手続の一覧に含めています。)
【標準監査調書作成支援】
監査調書には、書式として定まっている部分と、その会社について書かなければならない部分があります。監査要点、監査手続の記述、母集団と再計算対象の件数、合計額、差異──これらは型と数値で決まります。人が手で書き写す必要はありません。
Prism は、この定型部分を機械的に作成します。監査要点(アサーション)と監査手続の記述は型として保持し、本紙の数値は手続の実行結果からそのまま組み立てます。人間の入力を省略できる部分を省略することで、非定型部分──評価、検出事項、結論──の記載を充実させることに時間を充てられるようにしています。
[セキュリティ・閉域データフロー]
Prism は「データが外に出ない」ことを、設計だけでなく実装のレベルで担保することを目指しています。アプリケーション本体のコードに、外部へデータを送信する処理は存在しません。
Strata からのデータ取り込み → ルールと統計による検知の実行 → 監査人による前提の設定と再実行 → 実証手続の実行と差異の提示 → 監査人による判断と調書への記載。この一連の処理はすべて実行端末内で完結します。
データベースは実行端末内、または閉域のオンプレミスサーバーに置き、クラウドと同期される場所には保存しません。Prism は大規模言語モデルを用いないため、モデルの取得を含め、導入後の運用にインターネット接続を要しません。外部から遮断された環境で完結して動作します。
[詳細資料]
Prism の設計思想、18 の検知シナリオと 14 の実証手続、セキュリティ・閉域データフロー、技術仕様、AxiomCube シリーズ全体での位置づけなどを、製品紹介 PDF で詳しくご紹介しています。
▶ 製品紹介 PDF を見る(※ 本 PDF は研究開発中のソフトウェアを紹介する資料であり、営業資料ではありません。)